posted: 2020/11/05
update: 2020/11/07
2020年11月4日、イギリス宇宙機関(UKSA)はそのサイトで、GEO地球観測に関する政府間会合(Group on Earth Observations)の持続可能な開発目標賞(SDGs Award)を受けたと伝えている。
GEOの目的は、「地球観測の情報を用いて人類の利益のための意思決定や行動が行われる将来を作ろう」というもので、その地球観測の情報とは「取りまとめができていて、包括的で、持続的なもの」とされている。
また上記目的のために全球地球観測システム(GEOSS)の構築を目指している。GEOには100ヵ国以上の政府、欧州委員会(EC)、100以上の国際機関・組織が参加している。
GEO-SDGs賞は地球観測によってSDGsの達成のためによく貢献したと評価されたところに贈られる賞で、2019年から始まった。GEOの中の EO4SDG(Earth Observations for Sustainable Development Goals) イニシアティブの管轄である。
今回UKSAは、その国際パートナーシップ・プログラム(IPP)での貢献が讃えられた。IPPは衛星技術やデータ・サービスなどのイギリスの専門能力を世界が直面する問題の解決に利用していくプログラムで、イギリス政府が進めているグローバル・チャレンジズ・リサーチ・ファンド(GCRF)の1つである。
IPPは2016年にスタートし、毎年3000万ポンドの予算が投入されている(5年間で1億5200万ポンドの予算枠)。既にIPPの予算を用いてアフリカ、アジア太平洋地域、南米など47ヵ国で43のプロジェクトが進められている。
UKSAの持続可能な開発分野のトップは受賞を喜ぶと同時に、COP26があるので時期的にいいタイミングだったと話している。イギリスは来年の2021年、COP26グラスゴーのホスト国となっている。
ソース:UKSA(04/11/2020、IPPのサイト)、GEOのサイト
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20201105-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。