posted: 2020/10/15
update: 2020/10/15
2020年10月14日、スウェーデンの高等教育・研究大臣は、政府が同国北部にあるエスレンジ宇宙センターで小型衛星打上ができるように整えていくことを決定したと発表した。
スウェーデンは2018年の国家宇宙戦略で、高まる宇宙分野の試験及び打上げ需要に応えていくためエスレンジのインフラの近代化改革をすると掲げており、同センターで小型衛星打上げも可能にすることはそのエスレンジ改革の3段階目である。
発表はその改革の一環として作られた新しいロケット用テストベッドの運用開始の式典の際に行われた。テストベッドは欧州はじめ世界の宇宙関連企業・機関の次世代ロケット技術開発に供するものである。
既にISARエアロスペース社(ドイツ)とロケット・ファクトリー・アウクスブルク社(RFA、ドイツ)の2社は今秋の終わり頃には新テストベッドでの試験を行う予定である。また欧州の再使用型実証機テミス(Themis)も2022年にエスレンジで試験を行う計画とのこと。
スウェーデン政府およびエスレンジ宇宙センターを運用するスウェーデン宇宙公社(SSC)は共同でこのエスレンジ改革プロジェクトに約3000万USDの予算を投入している。双方、2022年には小型衛星打上げサービスを行えるようにしたいとのこと。
ソース:SSC(14/10/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20201016-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。