posted: 2020/09/03
update: 2020/09/03
2020年9月2日(クールー現地時間)、アリアンスペース社はギアナ宇宙センター(CSG)でヴェガ・ロケットの打上げミッション(VV16)を行い、小型宇宙機ミッション・サービス(SSMS)を用いて53機の衛星・宇宙機の打上げに成功した。
VV16は当初6月中旬に打上げが予定されていたが、天候不順のため繰り返し延期されてきた。今回の打上げウィンドウに設定された9月1日〜9月4日の初日の9月1日も、地上局がある韓国の済州島が台風9号の影響を受けるため順延となっていた。そして9月2日の夜、フライトに青信号が出され、現地時間の22時51分(日本時間では9月3日10時51分)、VV16は出発した。
SSMSはヴェガを用いて複数の小型衛星や宇宙機の打上げを提供するサービスで、様々なモジュールが用意されており、ペイロードの形や種類、数に合わせて選んで使えるような設計になっている。これはESAのプログラム予算のもと、欧州の様々な機関・メーカが参加して開発・導入が行われた。またこの実証フライトは欧州連合(EU)の枠組み研究プログラムHorizon 2020の補助金も受けている。
VV16はSSMSのデビューフライトであり、また2019年7月10日、アリアンスペース社および欧州チームはヴェガの1つ前のフライトVV15で不具合を経験しているため、欧州陣にとってこのVV16の成功はSSMSの導入とヴェガ復活の2つの喜びをもたらした。
次回、アリアンスペース社は10月中旬のCSGからのソユーズ・ロケットによるミッションを予定している。
ソース:アリアンスペース(03/09/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N°20180903-03
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。