posted: 2020/08/24
update: 2020/08/24
2020年8月17日、航空機を利用して天文観測を行うSOFIA(成層圏赤外線天文台)の観測結果がネイチャー・アストロノミー誌に掲載された。
SOFIAはドイツとアメリカの共同宇宙科学プロジェクトで、ボーイング747SP機を改造した機体に直径2.7mの望遠鏡を搭載し飛行して天体観測を行うものである。飛行高度は12kmを超える。1990年代中盤まで使われていたNASAのカイパー航空機天文台(KAO、望遠鏡直径91cm)の後継機である。
1996年、ドイツ航空宇宙センター(DLR)とNASAはSOFIAの開発・運用に同意しプロジェクトがスタートした。2007年4月に飛行試験が開始され、その後複数の試験を経て2010年秋に運用可能な状態になった。
ドイツが開発提供を担当したのは高分解能のヘテロダイン式スペクトロメータ「GREAT」(マックス・プランク天文学研究所が主管)と、遠赤外領域イメージング・ライン・スペクトロメータ「FIFI-LS」(マックス・プランク地球外物理研究所が主管)である。
今回ネイチャー・アストロノミー誌に発表されたのはボストン大学とマックスプランク天文学研究所の研究者らをはじめとする共著で、日本の研究者の中村文隆先生、杉谷光司先生も参加している。タイトルは「Magnetized filamentary gas flows feeding the young embedded cluster in Serpens South」
ソース:DLR(19/08/2020、SOFIAのサイト)、Nature (17/08/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20200824-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。