posted: 2019/05/14
update: 2019/05/14
約2ヶ月前の2019年3月18日、アゾレス諸島のポンタ・デルガーダでポルトガル宇宙機関「ポルトガル・スペース」設立決起セレモニーが行われた。
アゾレス諸島はポルトガルがマイクロ衛星用ロケット射場の建設を検討しているところである。今後はポルトガルの宇宙産業の発展を目指し、国家宇宙戦略ポルトガル・エスパソ2030の策定をしていく。具体的にはこれから現在の4000万ユーロというポルトガルの宇宙産業売上を10年の間10倍に成長させるのが目標である。
続いてイタリア・ドイツ出身のキアラ・マンフレッティ(Chiara Manfletti)氏がポルトガル宇宙機関を率いていくことが発表された。彼女は欧州宇宙機関(ESA)の長官顧問を務め、またドイツ航空宇宙センター(DLR)でも勤務経験がある。
この任命について、仏トリビューン紙は2019年5月13日付で、関係者へのインタヴューによると同氏はESA長官の側近であり今後もESA長官の顧問の仕事とポルトガル宇宙機関の指揮を掛け持ちしていく形になるだろう、それはESAとポルトガルという1国とのパワーバランスの点で関係業界をざわつかせる種にもなっていると報じている。
ソース:仏外務省科学局(30/04/2019)、La Tribune(13/05/2019)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20190514-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。