posted: 2020/11/12
update: 2020/11/12
2020年11月11日、欧州連合(EU)理事会は世界宇宙経済における重要点をまとめた文書を採択した。EU理事会はこれをもって2020年11月20日にオンラインで行われる欧州宇宙会議に臨む。
EU理事会は各加盟国を代表し閣僚が出席する会議である。(各加盟国の首相あるいは大統領が出席する欧州理事会とは異なる)。
欧州宇宙会議はEU/ESA宇宙会議とも言われ(名前は単にSpace Council)、EU理事会と欧州宇宙機関(ESA)の閣僚級会議のメンバーが出席し、欧州宇宙政策において共同して行う活動の調整について話し合うハイレベル会議である。2004年から始まった。
文書の英語のタイトルは「Orientations on the European contribution in establishing key principles for the global space economy」で、現在の状況を評価して特筆すべき点や今後の課題など全部で28項目が挙げられている。
その中でも、EU理事会のこの文書採択のプレスリリースでは以下の点が紹介されている。(要約)
欧州の宇宙産業、宇宙関連サプライチェーンの競争力は高く、宇宙経済の世界規模の成長に参加でき貢献できいる点は喜ばしい。
欧州の宇宙分野の自立性、安全保障、回復力の面では、欧州以外に頼らない技術が必要で、安全で自立した信頼できるコストレベルも良く、購入しやすい宇宙へのアクセス手段を維持していくことが大切である。また宇宙運行マネージメントによる宇宙機の衝突回避策、宇宙デブリ除去、宇宙デブリ抑制、宇宙監視・追跡や宇宙サイバー・セキュリティも分野も重要である。
ソース:EU理事会(11/11/2020)、採択文書Orientations on the European contribution in establishing key principles for the global space economy、ESA(25/11/2004)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20201112-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。