posted: 2019/03/28
update: 2019/03/30
2019年3月25日、習近平中国国家主席のフランス訪問の機会に仏国立宇宙研究センター(CNES)と中国国家航天局(CNSA)は更なる仏中宇宙協力に関する合意を結んだ。合意の宇宙探査の部門では、2023〜24年に打ち上げ予定の中国の嫦娥6号探査機にフランスの機器を搭載することが含まれている。嫦娥6号は月のサンプルリターンも目指している。また気候変動対策では既に開始されているCFOSatでの協力に加え、気候変動に関連する宇宙データの統合を目指す宇宙気候観測機関(SCO)の実現についても努力を続けていくことが合意された。
当日CNESの本部では、2018年10月に打ち上げられたCFOSatに関する同ミッション責任者らのミーティングも行われた。CFOSatは海洋の塩分および土壌の水分を調査する目的で打ち上げられ、同衛星にもフランスの機器2つが搭載されている。同衛星の調査結果は2019年5月には科学界に発表される予定である。その他両国間の宇宙協力では、高エネルギー天文学のためのSVOM、宇宙医学のためのCardiospace2プログラムが現在進められている。
ソース:CNES
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20190328
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。