posted: 2020/10/15
update: 2020/10/15
2020年10月12日、フランスのヌーヴェル=アキテンヌ地域圏(フランス南西部)は、同地域圏の中小企業10社ほどが、欧州が進める再使用型のロケット段テミス(Themis)プロジェクトに参加することになったと発表した。
テミスは非常に低価格の再使用型ロケット第1段実証機で、アリアングループ社が開発している液体酸素・メタンを推進剤に利用するプロメテウス・エンジンを搭載するものである。
これは仏国立宇宙研究センター(CNES)とアリアングループ社が共同で作った開発推進プラットフォーム「アリアンワークス」が取り組んでいるプロジェクトで、その設計研究段階は2019年の欧州宇宙機関(ESA)の閣僚会議で承認されESAプログラムになった。
テミス・プロジェクトへのヌーヴェル=アキテンヌ地域圏の中小企業の参加は、2020年10月9日に行われた同地域圏とアリアングループの第2回戦略的協力会議で詳細が話されたとのこと。この会議には同地域圏議会の議長やアリアングループのルセルCEOも出席した。
テミスのフィージビリティ研究を行うのは、AIを用いたロケットのデータ処理の自動化に取り組むDelfox社、複雑な輸送に用いる飛行船を開発するFlying Whales社、革新的塗料を提供するOliKrom社、ロケットの段の安全確保オペレーションのためのロボットを設計するShark Robotics社、非侵入型技術による材料の表面のチェックを実証するTouch Sensity社などである。
ソース:ヌーヴェル=アキテンヌ地域圏(12/10/2020)、A&C(14/10/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20201015-02
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。