posted: 2020/09/11
update: 2020/09/11
2020年9月10日、アリアングループ社とエンジー社は再生可能液化水素の分野での協力合意に署名した。エンジー社はフランスの大手電力・ガス事業者である。
アリアングループ社はフランスに本社を置くフランスとドイツの協力企業でアリアン・ロケットの製造販売を担っている。同社はアリアン・ロケットのため40年以上貯蔵や供給システムなどで液体水素を扱ってきている。同社のヴェルノン市の施設は欧州で最大の液体水素研究センターとなっている。
今回の合意は、化石エネルギーからの脱却のため利用可能性が大きく挙げられている液体水素について、最適な液化技術と液化装置を開発し試験していくことを目標としている。この作業は上記アリアングループ社のヴェルノン市の施設で行われる。
またその後、特に海運、水運、航空分野への液体水素の供給の方法を考案していくことも目指している。製造技術の方をアリアングループ社が担当し、運輸分野への供給の方をエンジー社が担当する分担になっている。
このプロジェクトには2020年9月3日にフランス政府が発表した総額1000億ユーロの経済復興策の中の競争力強化・宇宙部門の予算(3億6500万ユーロ)の一部も投入される。(フラスペ ・ニュース 2020年9月7日付け「仏政府の経済復興策:宇宙分野には合わせて約5億ユーロ投入」参照)
ソース:ArianGroup、Engie(10/09/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N°20180910-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。