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フランス宇宙軍についての続報:具体的3項目

P0190717 Quatorz juillet.jpg2019年7月25日、パルリ仏軍事大臣*はリヨン=モン・ヴェルダン空軍基地訪問の際、7月13日にマクロン大統領が演説の中で言及した宇宙軍、宇宙軍事の強化(フラスペ・ニュース「フランス宇宙軍、いよいよトゥールーズに:2019/07/17付 参照)について具体的骨子を発表した。そこで話されたのは2030年までに宇宙の状況をより良く捉えることができ、また宇宙にもつ財産を守る力を持てる形を作り上げるということであった。そしてそのための3つの大きな柱、宇宙状況監視(SSA)、宇宙防衛、宇宙軍について説明があった。


宇宙状況監視
・直近の目標は2022年までに軌道上で監視する物体の数を2倍に増やす。これには仏国立航空宇宙研究所(ONERA)のGraves、アリアングループ社のGeoTracker、仏国立宇宙研究所(CNES)のTarotという既に動いているプログラムか或いは次回購入する極長距離レーダ搭載の衛星を用いることを考えている。
・地上からの観測も強化される。それにはNew Spaceの民間企業のサービスが利用できるならば利用し、公共機関系の光学観測衛星も支援する。
・外国との協力、特にドイツとの協力も視野に入れている。


宇宙防衛
・戦略の目指すところは、フランスの安全保障や国内経済にとって非常に大切な宇宙インフラを守れる力を強化することである。
・そのための様々なシステムや「ナノ衛星パトロール隊」などを検討している。
・一方、もしもの場合に迅速に対応できる小型ロケットの開発も検討されている。
・これらのため、2019-2025軍事計画法(LPM)で割り当てられている36億ユーロに加えさらに7億ユーロを追加し、宇宙軍事のための予算は43億ユーロとする。


組織
・宇宙軍事部門を統括するのは2019年9月1 日にトゥールーズで発足する宇宙軍であり、空軍の管轄となる。
・そのため空軍は「航空宇宙軍」と改名される
・直ちに様々な機関・組織から220名が召集され、その後必要規模の人員数まで増やしていく




*仏軍事大臣、軍事省という表記は現在在日フランス大使館が使用しているものを使いました。


ソース:仏軍事省(25/07/2019)、A&C、ル・フィガロ、ロイター、等メディア複数(25、26/07/2019)

文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)

No:N20190726-01