posted: 2020/09/30
update: 2020/09/30
2020年9月28日、アリアングループ社は同社がNASAのアルテミス3ミッションに用いるオライオン宇宙船の推進システムに鍵となる機器を提供すると発表した。アルテミス3は有人月探査ミッションでNASAは2024年の実施を計画している。
オライオン宇宙船には推進、電力、水、酸素などを供給する欧州サービス・モジュール3(ESM-3)が取り付けられる。ESM-3は欧州の貢献分として欧州宇宙機関(ESA)がNASAに提供するもので、ESAはESM-3のプライム・コントラクタをエアバスDS社に発注している。
そしてエアバスDS社はアリアングループにESM-3に関する機器の納入、統合、試験など複数の業務を発注した。推進サブシステムでは高度管理を行う24基のスラスタ、2つの高圧レギュレータ、複数の燃料バルブ、4つの燃料タンク、燃料圧縮のための2つのヘリウムタンクなどの機器が納入される予定。
ESM-3は3機目のESMである。ESM-1は既にNASAに納入済みで、ESM-2は現在アリアングループのブレーメン工場(ドイツ)で組立と試験が行われている。
ソース:アリアングループ(28/09/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20200929-02
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。