posted: 2020/12/03
update: 2020/12/03
2020年12月2日、欧州気象衛星開発機構(EUMETSAT)はアリアン6およびヴェガCの利用に関する共同宣言に署名した。署名式はオンラインで行われ、欧州宇宙機関(ESA)のヴァーナー長官も参加していた。
この共同宣言の「アリアン6およびヴェガCの利用」とは、ESAが2018年の中間進捗閣僚級会議でロケットの調達において欧州ロケットの優先的利用、ロケット事業支援を強く打ち出した方針に答える形である。
これまでにはESAのほか、仏国立宇宙研究センター(CNES)、イタリア宇宙機関(ESA)、スペイン産業技術開発センター(CDIT)、ドイツ航空宇宙センター(DLR)、オーストリア研究促進庁、スイス連邦政府宇宙担当局などの政府機関・公共機関がこの方針を進めることを表明してきている。そこにEUMETSATも加わることになった。
これに伴い、既にアリアンスペース社が受注しているEUMETSATのメテオサット第3世代MTG-I2およびMTG-S1、MetOp第2世代(MetOp-SG)のMetOp-SG-A、MetOp-SG-Bの打上げミッション契約は、アリアン6による打上げにも基本的に引き継がれることになった。
また、この共同宣言には、ESAが開発し、企業らが事業化しているEUMETSAT衛星群のモニタリングやコントロールシステムの一般的利用の促進や、宇宙の気象分野での協力項目の特定なども盛り込まれている。
付属情報:上に出てきたMetOp第2世代について
2020年12月1日、エアバスDS社は、MetOp第2世代のMetOp-SG-Bのためのスキャトロ・メータ・アンテナのサブシステムがTRB試験審査会をパスしたとのこと。
ソース:EUMETSAT、Arianespace(02/12/2020)、Airbus DS(01/12/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20201203-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。