posted: 2019/08/03
update: 2019/08/04
2019年7月25日、欧州宇宙機関(ESA)はNASAとの火星サンプルリターン(MSR)ミッションでの協力と当ミッションに用いる機器の開発・製造の調達について紹介している。
NASAは2033年までに火星に人を送りたいと考えているが、それには火星の土壌について毒性があるかなどその性質を調べなければいけない。そこでその前にできるだけ多くの火星の土壌の情報を集めるためMSRを企画した。そしてESAもMSRへの協力を検討し2018年にESAとNASAは意向合意書(LoI)に署名している。
プログラムはNASAが火星に先んじて送るMars2020ローバ(打上げ予定:2020年7月)から始まる。そして火星と地球との距離の関係で火星への打上げに適した期間とされる2026年にNASAは火星着陸機を打ち上げる。この着陸機には火星からの上昇機(MAV)とMars2020が最終したサンプルを引き取りに行くフェッチ・ローバが搭載されている。さらにその後欧州は地球帰還オービタ(ERO)を打上げ、火星から飛び立ったMAVが運ぶサンプルを回収し地球に戻す形になる。
ESAの主な貢献はEROとフェッチ・ローバで、2018年のLoIの後、既にエアバスはミッションに貢献したい旨を表している。
ESA内での正式な承認は今年(2019年)11月のESA閣僚級会議 Space 19+で決められる。
ソース:ESA(25/07/2019)、Futura(01/08/2019)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N2090803-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。