posted: 2019/05/21
update: 2019/05/21
ヘラクレス計画(HERACLES)は欧州宇宙機関(ESA)、JAXA、カナダ宇宙機関(ASC/CSA)が共同して取り組んでいる月ミッションである。Gatewayを利用した月有人探査のための前段階的無人ミッションで、着陸機はJAXA、月からの離陸機はESA、探査ローバはCSAが担当している。2026年の打上げを目指している。
そしてESAは2019年5月9日、その離陸機の上昇時のロケット・エンジン開発のためNammo社(本社:ノルウェー)と契約を交わした。このエンジンは低圧タンクから電気ポンプによって送られた推進剤を高圧燃焼させるもので、低圧タンクは、まるでガソリンスタンドでガソリンを補給するようにリフィルができるような設計を目指している。またエンジンの再利用化も重要な設計ポイントである。
Nammo社は今年2019年の間にエンジン設計を行い、2020年には開発を開始したいと考えている。
ソース:ESA(16/05/2019)、Nammo(09/05/2019)、JAXA(05/04/2019)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20190521-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。