posted: 2020/10/14
update: 2020/10/14
2020年10月14日、エアバスDS社は欧州宇宙機関(ESA)から欧州大型ロジスティクス着陸機(EL3)の設計フェーズ(phase A/B1)を受注したと発表した。
EL3は月面に1.7tまでの物資や研究機器を輸送できるロジスティクス着陸機で、2020年代終盤にアリアン64によってに打ち上げられる計画である。
またEL3を用いてESAとその加盟国は将来の継続的な国際協力による月探査に貢献していく予定で、2030年代以降のミッション継続も想定されている。10年のスパンでは3機から5機のミッションが考えられている。
EL3は、例えばアルテミス計画の月面ベースキャンプのためのロジスティクス支援や、月ローバや設置型観測機などの科学ミッション支援、或いはサンプルリターン・ミッションの支援など、幅広いミッション支援ができるよう設計される。
EL3の開発、打上げは全て欧州の技術を用いて行われる。設計フェーズはエアバス・グループの宇宙探査事業の拠点であるブレーメンで行われる。そこにはドイツ、フランス、イギリスのエアバスのエンジニアらが集結する。また欧州7ヵ国から他の企業6社、1つの研究所も作業に参加する。
ソース:Airbus Space Systems(14/10/2020)、ESA(13/10/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20201014-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。