posted: 2019/04/08
update: 2019/04/08
2019年4月3日、欧州宇宙機関(ESA)のジョン・ヴァーナーESA長官をリーダーとするグループは仏国立宇宙研究センター(CNES)のトゥールーズ宇宙センター(CST)を訪問した。双方のチームはNEOSAT、およびエグノスのプログラムに関して意見を交換しあい、またSVOM、GAIAのプログラムの施設を見学した。
NEOSATプログラムは静止軌道通信衛星の先端的技術・システムを研究するものでESAとCNESが協力して進めている。軌道上でのコストを現在のものから30%削減することを目標としており、最初に同システムを搭載する2機の商業衛星はそれぞれ2019年、2020年に打ち上げられる予定である。このNEOSATプログラムは仏政府の研究分野の特別予算「未来への投資プログラム(PIA)」からの補助金を受けており、またESAの通信システム先端研究(ARTES)の枠組みで進められている(ARTES 14)。
エグノスは欧州のガリレオ・ナヴィゲーション・システムが開始される前からアメリカのGPS、ロシアのグロナスを補完する役割を果たしてきた。現在は既に7億人のユーザーを持つガリレオの補強システムでもある。今後はガリレオ・システムの補強のほか、とりわけ民間航空への貢献が期待されている。例えば航空機の着陸の際のガイダンスのクオリティの向上など国際民間航空機関(ICAO)の要望にも応えていく予定である。
ソース:CNES(04/04/2019)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20190408-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。