posted: 2019/08/03
update: 2019/08/04
2019年7月30日、マドリッドのスペイン・エアバスDS社は欧州宇宙機関(ESA)からESAと中国科学院(CAS)の協力ミッション太陽風磁気圏電離圏探査機SMILEの観測機器の製造を受注したと発表した。ESAと中国の協力プログラムは2003〜2008年に行われたDouble Star / Tan Ceミッション(科学ミッション)以来である。
SMILEミッションは太陽風の粒子と磁気圏の間の相互作用の物理的仕組みを調べる宇宙気象研究を目的としている。
傾斜角の大きい軌道を飛行するSMILEから送信する情報は三亜市(中国)にある中国科学院の地上局および南極のトロル基地(ノルウェー基地)が受信する。
欧州担当の観測機器はマドリッドのスペイン・エアバスDS社が、衛星バスは中国がそれぞれ提供する。これらの統合は欧州のESAの施設で行われる。打上げは2023年に欧州のヴェガCロケットかアリアン62で行われる予定。
SMILEにおける両国の科学協力は中国と欧州で行われた欧中協力を推進するワークショップから始まった。そして2015年1月、ESAとCASは共同提案募集を行い、同年11月に選定が行われ、産業側3社と科学研究チームが軌道部分、地上部分も含めたミッション設計を完成させるに至った。
ソース:Airbus(30/07/2019)、ESA(05/03/2019)他
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N2090803-02
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。