posted: 2019/05/13
update: 2019/05/13
2019年5月8日、ベルリンにてアリアングループとドイツのスタートアップ企業PTScientists社は将来的協力について合意を結んだ。この合意には月ミッションのためのアリアン6ロケット提供および月軌道、月着陸の支援のための協力が含まれている。
アリアングループとしてはアリアン64(ブースタを4本付けた形、月軌道への打ち上げ能力8.5t)を月ミッションの輸送手段として世界の第1線にまで持っていきたいと考えている。一方PTScientists社は月着陸機ALINAを提供する。
この計画はESAのIn-Situ Resource Utilisation (ISRU) 実証プログラムの枠組みで進められている。ESAは人類の月への帰還、月資源の利用を目指す際、これを宇宙機関の国際協力だけでなく、民間とも協力しビジネス面での採算性を向上させ、月ミッションの持続性を図ろうとしている。そのためESAはISRUで民間の技術革新を支援し、また民間技術の購入も行なっていこうとしている。今回のアリアングループとPTScientists社の合意もこの取り組み1つとなっている。
ソース:アリアングループ(08/05/2019)、ESA(08/05/2019)、PTScientists(08/05/2019)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20190513-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。