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ESA(欧州宇宙機関) : 次期長官はオーストリア出身、ESA地球観測本部長のジョセフ・アッシュバッハー(Josef Aschbacher)氏

P20200814 ESA.jpg2020日11月26日以来、複数のメディアが欧州宇宙機関(ESA)の次期長官にオーストリア出身のジョゼフ・アッシュバッハー(Josef Aschbacher)氏が選ばれたと報じている。正式な承認投票は12月中旬に行われるとのこと。

アッシュバッハー氏は現在ESAの地球観測プログラム本部の本部長で、イタリア・ローマ近郊のフラスカティにある欧州地球観測センター(ESRIN:欧州宇宙研究所)の所長でもある。

オーストリアのインスブルック大学で自然科学のマスター、ドクターを取得したアッシュバッハー氏は卒業後同大学で気象学、地球物理学の研究に従事した。そして1990年からESA・ESRINでのキャリアを始める。また1991年から1993年はESAの東南アジア地域代表の補佐役としてバンコクのアジア工科大学院に派遣されている。

1994年から2001年には欧州委員会(EC)の 共同研究センター(JRC)のイスプラ(伊)事務所で仕事をし、宇宙アプリケーション部の科学分野補佐の任までこなすに至った。

2001年にパリのESA本部に戻り、主にEU/ECのコペルニクス・プログラムの調整役に従事し、2006年にはコペルニクス・スペース・オフィスのトップとなって特にECなど外部パートナーと共にコペルニクスの実現に力を注いだ。

2014年、同氏はESRINの計画策定・調整部門の責任者となりESAの地球観測プログラムを管轄すると共に、ESA地球観測本部の計画的で戦略的なプログラム決定に貢献した。そして2016年から現職の地球観測プログラム本部の本部長、ESRINの所長の任に就いている。

26年間スペースニュースのパリオフィスでこの分野の情報に関わる仕事をしてき宇宙業界専門家の11月26日のtwitterによると、最終選考に残った他の2人はスペインの宇宙飛行士で現在は科学・イノヴェーション大臣を務めているペドロ・デュケ氏とノルウェー宇宙機関(NOSA)のクリスチャン・ハウグリ=ハンセン長官だったとのこと。

フランスの経済メディアのレゼコーは、ESA次期長官募集には220通以上の応募があり、中には10歳未満の子供の応募もあったとのこと。ESAは1通1通ちゃんと目を通した上で、しかし、ESAは応募要項で長官としての適性など様々な条件のほか、加盟国の代表の推薦文がある方が有利と明記しているため、それに準じて選抜が行われたと書いている。



ソース:Les Echos(26/11/2020)、ESA(Director 紹介のページ)、Space Intel Report(26/11/2020)、twitter Peter B. de Selding @pbdes(26/11/2020)




文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)

No:N20201127-01