posted: 2020/08/28
update: 2020/08/28
2020年8月27日、エアバスDS社はアル・ヤー衛星通信社(ヤーサット:Yahsat、本社アブダビ)の新世代モバイル通信システムのためのThuraya 4-NGS衛星(スラーヤ4-NGS)の製造を受注したと発表した。
"エアバスDS社は10日ほど前の8月18日、アラブサットのBADR-8衛星の製造を受注したばかりである。コロナ禍で航空運送産業が停滞し、エアバス・グループの航空機製造部門の受注では重苦しい空気が漂っている中、宇宙部門でのこの2連続の中東方面顧客との契約受注は素敵なニュースである。"(Challangesより)
ヤーサット社はアラブ首長国連邦(UAE)で最大の衛星オペレータであり、Thuraya 4-NGSにより欧州、アフリカ、中央アジア、中東でのLバンド通信システムThurayaの能力および柔軟性の増大を狙っている。さらに同社はモバイル電話通信だけでなく、海洋、IoT、データ・ソリューションなど、複数の戦略的サービスのラインナップ強化を見込んでいる。
また、Thuraya 4-NGS衛星以外にThuraya 5-NGSの製造もオプションとして挙げられている。ヤーサット社の契約コミット額は約500USDという。
Thuraya 4-NGS衛星はエアバスDS社のEurostar Neo衛星バスを搭載する。運用開始予定は2024年。
ソース:Airbus Group、Challenges(27/08/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20200828-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。