posted: 2019/08/23
update: 2019/08/23
オーストリアのドローン・レスキュー・システム社は、DLRが指揮するFALconプロジェクトに技術貢献を始めた。
ドローン・レスキュー・システム社はパラシュート技術を用いて宇宙機を安全に着陸させるシステムに取り組んでいる会社で、2016年の欧州衛星ナヴィゲーション・コンぺ(ESNC)で優勝している。また2016年にオープンしたオーストリアの欧州宇宙機関のビジネス・インキュベーション・センター(ESA-BIC)の支援享受企業でもある。ESA-BICの取り組みは2003年にスタートし、2019年1月現在では欧州各所20ヵ所でインキュベーション活動を行なっている。
DLRが指揮するFALconプロジェクト(Formation flight for in-Air Launcher 1st stage Capturing demonstration)は、宇宙機を低コストの、地球にも優しい方法で回収するシステムの開発を目指している。
2019年3月から3年間のプロジェクトで、具体的にはロケットの第1段を「ロケット・キャッチャー」で捕まえ、打上げサイトの近くまで移動させ、そこからロケット自身のシステムで着陸するという流れを開発・実証していく予定。そしてこのオペレーションにドローン・レスキュー・システム社のパラシュート安全システム技術が用いられる。
FALconプロジェクトにはDLR、ドローン・レスキュー・システム社の他、Soft2tec社、フォン・カルマン研究所など5つのパートナが参加している。また同プロジェクトはEU/ECのホライゾン2020の研究助成金支援も受けている。
ソース:A&C(19/08/2019)、GPS World(14/08/2019)、H2020、ESA-BIC
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20190823-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。