posted: 2020/11/25
update: 2020/11/25
2020年11月24日、テレビチャンネルのギアンヌ・ラ・プルミエールは、ギアナ宇宙センター(CSG)の職員らがミッション数の減少による事業活動の停滞と、仏国立宇宙研究センター(CNES)およびアリアンスペース社による事業最適化作業部会について懸念している、というニュース報道をした。
ギアンヌ・ラ・プルミエールはフランスの公営放送フランス・テレビジョン傘下の仏領ギアナ地域の放送局である。
2020年、CSGでは、コロナ・ウィルスによる事業活動の減速に加え、2020年11月16日のヴェガロケットの打上げ失敗がミッション計画の状況を悪化させた。
さらにCNESのUTG職員組合は、CNESとアリアンスペース社による作業を見直すための事業最適化作業部会が、雇用数を減らすことによって合理化を進めていくのではないかと懸念している。
CNES・UTG職員組合の代表者のマチアス氏は、最適化・合理化というとまず職員の雇用数が減らされる。コロナがあり皆厳しい時期だとわかってはいるが。もうすぐソユーズのミッションがあるので、それは是非成功となって欲しい、とニュースの中で話した。(要約)
一方同じニュース報道のインタビューでCNES・CSGのクレール所長は事業最適化作業部会の目的が合理化による従業員削減であることは否定したが、アリアン6の運用開始までのミッション数の減少は否定しなかった。
同所長によると、今年は7ミッション、来年の2021年は7〜9ミッションとなるだろう。CSGは通常11〜12ミッションを行うよう設計され、組織も作られている、と話した。ただし、アリアン6については、コスト/販売価格はアリアン5に比べ半分になるが、その分ミッション請負数が増える、スタッフ数は欧州本土においてもギアナにおいても安定した形になるだろうと加えた。
ソース:Guyane la 1ère(24/11/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20201125-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。