posted: 2020/09/30
update: 2020/09/30
2020年9月28日、仏国立宇宙研究センター(CNES)のルガル総裁と中国国家航天局(CNSA)のZhang Kejian長官は両国の宇宙協力について会談を行った。両機関のトップ会談は2019年11月の仏大統領の訪中の機会に北京で行われて以来である。
2019年11月の会談の際は嫦娥6号での協力と水循環をモニターする衛星ミッションにおける協力について共同協力宣言が署名されている。
今回の会談ではその嫦娥6号と水循環モニタリング衛星ミッションの進捗を確認しあい、また2020年内にこの2つのミッションにおける技術レベル会議を開催することで合意した。
嫦娥における協力について、2023年に打上げが予定されている中国の月探査機嫦娥6号のミッションでは、フランスはラドンガス検知器(DORN)を提供する。DORNは月のレゴリスや埃、外気圏のラドンガスを観測するもので、フランスの宇宙物理・惑星学研究所(IRAP)が開発する。
水循環モニタリング衛星ミッションにおいては、両者は科学レベルと同時に技術レベルでも挑戦的なミッションを行っていくことで合意した。そのミッションで取得されるデータは、気候変動をより良く理解するために大変重要であろうと話された。一方、フランスも中国も宇宙気象観測機関(SCO)の取組みを続け、宇宙ミッションで取得するデータを気候変動対策に役立てていく共通の意思を確認した。
さらに両トップは同じく両国が協力している高エネルギー天文学のためのSVOMミッションの準備が進んでいることを喜んだ。SVOMミッションの打上げは2022年6月に予定されている。
ソース:CNES(28/09/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20200930-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。