posted: 2020/09/24
update: 2020/09/24
2020年9月22日、仏国立宇宙研究センター(CNES)はフランス放射線学会(SFR)と協力協定を結ぶ予定だと発表し、別件で、NASAのジェット推進研究所(JPL)と仏米宇宙協力について意見交換のミーティングを行った。
フランス放射線学会との協力
CNESの発表によると、2020年10月2日〜5日に開かれる放射線学フランス語圏デーの機会にCNESとSFRは協力協定を結ぶ予定。この協力は、医療画像分野と宇宙画像分野の双方の専門性を共有する新しい方法を作り出すことや、双方の研究者や業界の企業、教育者などがつながる形でそれぞれの活動を知っていくことを目指している。
協力が目指す大きな3本柱は
1. 宇宙探査のための革新的な医療画像技術
2. 宇宙探査の際の実際の放射線学の利用
3. 革新的な医療画像、宇宙画像の処理技術と方法の開発
とされている。
NASA/JPLとの協力の意見交換
9月22日、CNESのルガル総裁とJPLのワトキンス所長はフランスとアメリカの宇宙協力について意見交換をした。また双方のスタッフらによる意見交換の会議も行われ地球観測、宇宙探査、惑星科学について話し合った。
意見交換会ではまずCNESもJPLも、コロナ禍にも関わらず水域海面高度計ミッションのためのSWOT衛星の作業が進んでいる点を喜んだ。CNESが提供する全てのコンポーネントはレーダ高度計KaRinに統合されたとのこと。SWOTミッションは20年以上続けられてきたCNESとNASAの高度計ミッションでの協力の成果を表すものである。SWOTは来年には打ち上げられる予定。
また火星ローバのパーセヴェランスの打上げ成功も喜ばれた。パーセヴェランスにはフランスが提供した機器SuperCamが搭載されている。
将来についてCNESはJPLに、アメリカが進めていく地球観測、太陽系探査と惑星学のプログラムにCNESの専門能力を提供して協力していくと伝えた。
ソース:CNES(22/09/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20200924-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。