posted: 2020/11/21
update: 2020/11/21
2020年11月20日、仏国立宇宙研究センター(CNES)は、11月16日(仏領ギアナ時間)のヴェガ・ロケットVV17の失敗により失ったTARANIS衛星について、TARANIS 2を作ってミッションを続けたいと伝えている。
TARANIS衛星ミッションは、高度20km〜100kmの空間の雷などの高高度発光現象(TLE)と頻繁にそれに伴うガンマ線のフラッシュ(TGFs)観測を行うものである。
CNESは、この分野の研究はまだあまり掘り下げられておらず科学的に貴重であるとし、そのためにもTARANIS 2ミッションを提案するとのこと。そして提案をまとめるためにすぐにタスクフォースを立ち上げたとしている。
タスクフォースは、考えられる技術機器、衛星バス、パートナーであるCNES、仏国立科学研究センター(CNRS)、仏原子力・代替エネルギー庁(CEA)、サプライヤ側のそれぞれの役割分担、開発日程などを検討しまとめていく。
具体的には以下の点が挙げられている。
・科学的需要の再評価:採用するものと諦めるものを特定
・TARANISミッションから引き継げる機器、ハードウェア、地上セグメントと管制、シュミレータなどの選定と新しく開発し直さなければならないものを挙げる
・技術については簡潔で既存のソリューションを提案する。特にTARANISで用いた衛星バスMYRIADEの代替を検討
・それぞれの責任と調達の構図を含めTARANIS 2プロジェクト全体の組織を決める。
タスクフォースはCNES、CNRS、CEAでTARANISプロジェクトの中心にいたメンバーで構成されている。タスクフォースはTARANISの科学的目的に応えられ、かつコストと時間を最低限にしたミッションを計画しなければならない。
まとめられた提案書は2021年1月末のCNES理事会に提出される。ただし2020年12月半ばに進捗確認が行われるとのこと。
ソース:CNES(20/11/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20201121-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。