posted: 2020/12/18
update: 2020/12/18
2020年12月14日、仏国立宇宙研究センター(CNES)の理事会が開催され、これから取り組んでいくプログラムや新規に発足させる組織・制度などの承認が行われた。CNESのプレスリリースでは以下のように紹介されている(要約)
光学衛星通信DYSCOプログラム
理事会はDYSCO(Démonstration et sYstème SatCom Optique:実証・光学衛星通信システム)の実施を承認した。これはフランスの宇宙産業と協働して行われるもので、衛星/地上間および衛星/衛星間の光学通信を目的とする。プログラムは2020年〜2026年にかけて行われる。
スタートアップ促進のための子会社の設立
また、CNESによる、宇宙分野のスタートアップ促進・支援の子会社の設立も承認された。世界でNewSpaceが成長している中、実際、CNESは宇宙経済とイノヴェーションを促進する役目を担っている。CNESはコネクト・バイ・CNES(Connect by CNES)のプログラムで宇宙産業とそのほかの産業を結びつけ新しい経済システムを創り上げる支援をしている。その支援はスタートアップ企業のアイデアを創出し形に描く過程、インキュベーション、技術的専門性、資金面、販売促進にわたっている。新設のスタートアップ支援会社もこれら項目と同様の支援を行う。
この取り組みは、CNESとドイツ連邦経済省およびドイツ航空宇宙センター(DLR)の合意の中のCNESとミュンヘン連邦軍大学の仏独パートナーシップの一環をなす。
宇宙気候観測機関(SCO)のSCO認定プロジェクトへの補助金給付
最後に、宇宙気候観測機関(SCO)のSCO認定プロジェクトへの補助金給付方法の説明があり、理事会はその方法の適用を承認した。SCO認定プロジェクトへの補助金給付システムはSCO認定プロジェクトに特化したもので、CNESの他の補助金制度を補完する形になる。特に宇宙データを利用したサービスを開発しようとする宇宙分野以外の企業にとって役立つものになるだろう。
ソース:CNES(14/12/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20201218-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。