posted: 2020/12/17
update: 2020/12/17
2020年12月16日、欧州宇宙機関(ESA)と仏国立宇宙研究センター(CNES)は仏領ギアナのギアナ宇宙センター(CSG)のリノヴェーションと現代化に関する契約に署名した。CNESはCSGの所有者でありESAと協力しながらCSGの管理をしている。
このCSGのリノヴェーションと現代化は2019年11月のESA閣僚級会議でESAプログラムとして予算投入が承認されたものである。その予算を使う期間は2020-2024年となっている。
ESAプログラム予算は合計5億600万ユーロで、内訳はCSGが運用可能な状態に保つためのメンテナンス費4億1300万ユーロ、抜本的リノヴェーションの部分の「CSGニュージェネレーション」プログラムに9300万ユーロとなっている。
それに加え、CNESはESAを介さない直接予算としてメンテナンスに2億600万ユーロ、リノヴェーション・現代化に4700万ユーロの合計2億5300万ユーロを出す。ESA分とCNES分を合計するとCSGのメンテナンスとリノヴェーションには7億5900万ユーロが注がれることになる。
今回の運用可能な状態の維持のためのメンテナンスとリノヴェーションの目的には、アリアン6、ヴェガCの運用のための対応や古い技術を用いた施設の刷新などに加え、CSG全体のエコロジー化や、NewSpaceなど新興の打上げミッション・プロバイダらにも最高レベルの質、信頼性、利用可能性を提供し、CSGの魅力度を高めようという項目も挙げられている。
(CSGのエコ化:フラスペ ニュース 2020年11月6日付「ギアナ宇宙センター(CSG)、施設内のエネルギーをエコ化へ」https://www.france-space.com/news/csg-1.html 参照)
前回のCSGの大掛かりなリノヴェーションはアリアン5の導入時期の約25年前とのこと。CSGに関するESAの役割や貢献額はフランス政府とESAとの間の基本枠組み合意にのっとっており、詳細は5年ごとに改定される形になっている。その基本枠組み合意では、フランスも含めたESA加盟国が拠出するESA負担分が3分の2、残りの3分の1がフランスが自身の予算から直接負担する分担になっている。
ソース:CNES、ESA(16/12/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20201217-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。