posted: 2020/10/09
update: 2020/10/09
2020年10月7日、アリアン6、ヴェガCのための固体ロケットエンジンP120Cの3度目で最後の燃焼試験が行われ、成功裡に終わった。
試験は仏国立宇宙研究センター(CNES)がオペレーションをしているギアナ宇宙センター(CSG)の固体エンジンテストベンチ(BEAP)で行われた。
P120Cエンジンはアリアン6ではストラップ・ブースター用で、これが2本付けられる仕様がアリアン62、4本の場合アリアン64となる。またヴェガCには第1段として利用される。
アリアン6、ヴェガCの開発運用は欧州宇宙機関(ESA)のプログラムで、固体ロケットエンジンの開発はアリアングループ社とアヴィオ社の出資率半々の合弁会社ユーロプロパルション社が担当している。
これまで燃焼試験は2018年7月にヴェガCの開発モデル、2019年1月にヴェガCの認定試験モデルで行われ、2回とも合格してきた。今回はアリアン6の認定試験モデルの試験で、燃焼時間は130秒であった。
欧州チームは来年(2021年)、中盤にヴェガC、下半期にアリアン6の初号機打上げを行う予定でいる。ヴェガCについては、第3段のゼフィーロ9エンジンの認定試験が10月1日に行われたばかりである(フラスペ ニュース 2020年10月8日付「ヴェガCロケットの第3段エンジン、認定試験をパス」参照)
ソース:Avio, ArianeGroup, ESA, CNES(08/10/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20201009-02
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。