posted: 2019/07/23
update: 2020/10/09
2019年7月18日、アリアングループ社はアリアン6の第1段のエンジンであるヴァルカン2.1の燃焼試験が終了したと発表した。
最終試験は7月16日、ドイツ航空宇宙センター(DLR)のランポルツハウゼン(Lampoldshausen:独)センターのテストベンチP5で行われ、ヴァルカン2.1はおよそ11分間(655秒)燃焼したとのこと。
これでアリアン6に搭載されるエンジン、モータは全て燃焼試験に成功した結果となった。上段の再燃焼可能なヴィンチ・エンジンの試験は2018年10月に終了している。アリアン6の補助ブースターでもありヴェガ-Cの第1段を推進するP120固体ロケットモータは既にギアナ宇宙センター(CSG)の施設で燃焼試験に成功している。
ランポルツハウゼンの施設では新テストベンチP5.2が完成しており、アリアン6運用のための準備が着々と進んでいる(フラスペ・ニュース「アリアン6上段の新しいテストベンチ完成:2019年3月22日」参照)。この発表で同社は7月10日のヴェガ・ロケットによるUAEのFalconEye衛星打上げ失敗の原因やそれによるヴェガおよびヴェガ-Cプログラムへの影響については言及していない。
ソース:アリアングループ社(18/07/2019)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20190723-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。