posted: 2019/08/07
update: 2019/08/07
2019年8月6日、アリアンスペース社はギアナ宇宙センター(CSG)でアリアン5による欧州データ中継衛星システムのEDRS-C衛星とIntelsat 39衛星の2つの静止衛星の打上げを実施し、成功裏におさめた。
これは今年(2019年)のアリアンスペース社の7回目の打上げキャンペーンで、アリアン5では3回目。アリアン5の初号機から数えると105回目の打上げとなった。
欧州データ中継衛星システム(またはSpaceDataHighway)は光データ通信を利用するもので、静止軌道の衛星が低軌道の地球観測衛星のデータを受信し、そこからより高いレートで地上にデータを送信する仕組みになっている(通信能力1800 Mbit/秒以上、1日に最低でも50テラバイト)。これにより環境モニタリング、市民安全サービス、災害対応などが迅速に行われるようになるとされている。
プログラムは欧州宇宙機関(ESA)とエアバス社の官民連携(PPP)で進められてきており、打上げられた衛星はエアバスが所有することになる。利用顧客としてESAや欧州委員会(EC)のコペルニクスが保証されている。EDRS-Cはの2つ目の中継地点となる。EDRS-Aは2016年1月にバイコヌールからプロトン・ロケットで打上げられている。
インテルサット社は1983年以来アリアンスペースの顧客であり、今回のIntelsat 39はアリアンスペースが打ち上げた61機目のインテルサット社の衛星となった。
ソース:アリアンスペース、ESA、CNES(06/08/2019)、他
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20190807-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。