posted: 2019/05/09
update: 2019/05/09
2019年5月8日、タレス・アレニア・スペース社(TAS)と欧州宇宙機関(ESA)は、エクソマーズ 2020のローバに搭載する採取サンプル分析器ALD(Analytical Laboratory Drawer)の組立が終了しその熱真空試験もパスしたと報告している。 これはTASのトリノの施設で行われた。今後ALDはイギリスのエアバスDS社が製造しているロザリンド・フランクリンと命名されたローバに統合される予定。このローバは、生命の痕跡が残っている可能性のある火星の地下2mまで掘り下げることができ、そこでサンプル採集を行う。
ALDのほかTASはエクソマーズ 2020のミッション・コントロール・システムの開発およびロシアのラヴォーチキン社が提供する降下モジュールとそれを輸送するキャリア・モジュール(OHB社提供)の統合、試験も担当する。これらは2019年7月にはTASのカンヌ(フランス)のクリーンルームで試験が行われる予定。エクソマーズ 2020は2020年7月にバイコヌールから打ち上げられ火星への旅を開始することになっている。
ソース:TAS (08/05/2019)、ESA(08/05/2019)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20190509-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。