posted: 2019/05/11
update: 2019/05/11
2019年5月6〜9日、ワシントンDCでサテライト2019会議が開催された。そこで当会議中およびその前後に発表された欧州関連のニュースをいくつか挙げてみる。
5月6日:エアバスDS社、マレーシアの衛星オペレータMeasatのMeasat 3d衛星の製造を受注。同機には2014年に打ち上げられたMeasatシリーズのMeasat 3bと同様エアバスのEurostar 3000の衛星バスが用いられる。打上げ予定は2021年。
5月6日:エアバスDS社、スペインの衛星オペレータHisdesatのSpainsat NG1、Spainsat NG2を提供へ。エアバスDS社はエアバスDSフランス、エアバスDSスペイン、タレス・アレニア・スペース(TAS)スペイン、TASフランスの4社のコンソシアムでの製造を指揮する。この2機にはエアバスのEurostar Neo 衛星バスが搭載される。1機目の打上げは2023年を予定。
5月6日: エアバスDS社、Telesat社の低軌道衛星システムについてシステム仕様設計とリスク・マネージメント計画の作成が終了。軌道部分と地上部分の両方のソリューションをTelesat社に提出。同じくTASとMaxarテクノロジー社のチームもこの件の計画書を提出
5月7日、8日:仏国立宇宙研究センター(CNES)のルガル総裁がサテライト2019に出席。パネルディスカッションに参加。またブライデンスタインNASA長官とも会談。
5月7日:アリアンスペース社、フランスの衛星オペレータEutelsat社のEutelsat 7C衛星と欧州の宇宙データハイウェイEDRSプログラムのEDRS-C衛星の打上げが間近で、2019年夏までの間に行われると発表。
5月8日:アヴィオ社は5月7日にサルディニア島の試験ベンチでヴェガCロケット用のゼフィーロ40エンジンの燃焼試験を行い成功したと発表。ヴェガCは2020年に運用開始される予定。
5月9日:アリアンスペース社はカナダのexactEarthESAの小型海洋監視衛星Esailの打上げを受注。EsailはESAの先端的通信技術研究(ARTES)のSAT‐AIS (衛星・船舶自動認識システム)プログラムの枠組みで進められており、製造はルクセンブルグのLuxSpace社が担当している。打上げは2019年、ヴェガ・ロケットで行われる予定
5月10日:ルクセンブルグとアメリカ、宇宙協力合意プロトコルに署名
(おまけ)5月7日:マイク・ペンス米副大統領が登壇。話した内容についてフランスの航空宇宙専門誌エール・エ・コスモスは「力強い演説、しかし新情報はなし」というタイトルで紹介している。
ソース:エアバスDS、TAS、ESA、A&C、CNES、AVIO、DLR、ルクセンブルグ政府、Space News、他 (06/05/2019-10/05/2019)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20190511-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。