posted: 2020/11/02
update: 2020/11/02
2020年11月1日、国際災害チャータは稼働開始から20周年を迎えた。11月2日には国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙飛行士らが滞在を始めて20周年となるが、国際災害チャータもちょうど同じ歳月を経てきた。
1999年、仏国立宇宙研究センター(CNES)と欧州宇宙機関 (ESA)は国際災害チャータを提案した。そしてすぐにカナダ宇宙機関(CSA/ASC)も賛同し、2000年10月20日にチャータ設立合意が署名され2000年11月1日から稼働が開始された。
現在では17の宇宙機関が地球観測分野の専門能力を提供し、自然災害や事故の損害を受けた国、地区の行政機関・関連機関、国連などが災害対応マネージメントを行うのを助けている。2020年10月19日までで126ヵ国の災害で680回のチャータが発動されている。
災害発生時に対応できる衛星は60機以上となっている。フランスのスポット(Spot)衛星システムとプレイアド衛星システムはチャータに大いに貢献しており、特に近年では被災地の災害地図の40%はプレイアド(Pléiades)衛星システムが取得したデータから作られている。
プレイアド衛星システムはCNESがエアバスDS社にプライム・コントラクタの役を発注し、タレス・アレニア・スペース社は光学機器を提供している。欧州ではオーストリア、ベルギー、スペイン、スウェーデンがプレイアド衛星の製造パートナーとなっている。
ソース:CNES(30/10/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20201102-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。