posted: 2020/10/01
update: 2020/10/01
2020年10月1日、英政府は国家宇宙イノベーション・プログラム(NSIP)の枠組みで、補助金を受けたい国際協力プロジェクトの応募を開始した。プログラムはイギリス宇宙機関(UKSA)が取りまとめている。
NSIP国際協力部門の補助金総額は500万ポンドで、各々のプロジェクトが受ける補助金額は25万ポンドから250万ポンドの間となっている。
この公募で設定された応募プロジェクトの国際協力の相手国と技術分野は以下のようになっている。
オーストラリア:地球観測
日本:衛星アプリケーション
カナダ:ロボティクス
国際:安全、持続性(宇宙デブリを含む)、宇宙科学
フランス:地球観測と気候
インド:地球観測と気候、and/or 持続可能な開発
アラブ首長国連邦:災害救援
この補助金は既に行われているUKSAの国際分野の取り組みがベースになっている。2020年6月、英政府と米政府は、アメリカ企業によるイギリスのスペース・ポートの活用やアメリカの打上げ技術のイギリスへの輸出ができるようにしていこうという合意に署名している。イギリスのスペース・ポートは2020年代序盤には運用を開始する予定である。
2019年9月にはイギリスはオーストラリア宇宙機関と、将来的協力のために準備をしていこうという合意を結んでいる。
またUKSAは国際パートナーシップ・プログラム(IPP)に年間3000万ポンドの予算を投入しており、既に合計50ヵ国の発展途上国と協力する43件のプロジェクトに補助金を出している。これらプロジェクトには186の主にイギリスに拠点を置く組織と183の国際組織が参加している。
イギリスの宇宙産業は2010年から60%の成長をみせており、イギリス経済活動に3000億ポンドをもたらし、その雇用数は4万人に上っている。
補助金の応募締め切りは2020年10月29日。
ソース:UKSA(01/10/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20201001-02
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。