posted: 2020/10/09
update: 2020/10/09
2020年10月1日、欧州宇宙機関(ESA)はエクソマーズ2022のミッションスケジュールが決まったと発表した。それによると打上げウィンドウは2022年9月20日から12日間、その後264日の火星への旅を続け2023年6月10日に火星にタッチダウンする予定とのこと。
エクソマーズはESAとロスコスモス共同の火星探査プログラムで、2016年打上げのミッションと合わせて2部構成になっている。エクソマーズ2016で打上げられたトレース・ガス・オービタ(TGO)は火星軌道を周回してほぼ4年になる。TGOは既に科学的に重要な観測結果を取得し地球に送っており、またNASAのローバのキュリオシティや着陸機インサイトのデータの中継にも役立っている。
エクソマーズ2022ではロシアの着陸機カザチョクと欧州のローバのロザリンド・フランクリンが火星に送られる。TGOはエクソマーズ2022のデータ中継も行う。
欧州とロシアのチームは複数の要因を分析しながらミッション・スケジュールを決定した。例えばESAの欧州宇宙オペレーション・センター(ESOC)は打上げに用いるロシアのプロトン・ロケットの性能を鑑み複数の航路を検討した。
火星到着後、最初はESAが着陸機カザチョクとロザリンド・フランクリン・ローバの管制を担当する。そして数週間後、カザチョクの正常な自律的稼働が確認されたらカザチョクの管制はロスコスモスにバトンタッチされる。
ソース:ESA(01/10/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20201009-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。