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wrote: 2019/04/06
update: 2019/04/07
2019年4月2、3日、ル・ブルジェ(パリ近郊)で開かれた「パリ・スペース・ウィーク」には1000以上の企業・団体が参加し、400以上の出展があった。その間に行われた「宇宙分野の展望」と題された会議では欧州の宇宙分野のスタートアップ企業の動向が話され、その模様をレゼコー紙が伝えている。
当記事によると、70以上の欧州のスタートアップ企業は最近数年のうちに増資をしており、これまでニュースペースの流れには遅れをとっていた欧州だが、それでもその波に乗り遅れたくないと考える新しい企業が出てきているとのこと。これらスタートアップ企業の増資を支援する格付け会社アーリー・メトリクス社社長は「欧州のスタートアップ企業の強みは2点、1つは優秀なエンジニアリング能力で、もう1つは航空宇宙防衛産業の大手とのビジネスを展開できる可能性がある点」と話している。
これら増資を行なったスタートアップの中でも最も際立っているのは、ベルギーのアエロスペースラブ社で、4月2日、同社は1100万ユーロの増資を発表した。同社は2017年に設立され、1機100Kg以下の衛星5機で、その画像取得能力は一機1tの欧州の軍用衛星プレイアドに近いレベルの高分解能の衛星システムの構築を目指している。アメリカからの画像データの購入を避けたい欧州軍事部門の需要を狙ったビジネスである。同社の事業には欧州宇宙機関(ESA)の前長官ジャン= ジャック・ドーダン氏や元仏国防省陸海空共同宇宙軍司令官のテステ将軍も支援している。
同記事は、他にも増資を行ない宇宙分野ビジネスを目指す企業について複数紹介している。
ソース:Les Echos (02/04/2019)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:D20190406-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。