特集1
wrote: 2019/03/23
update: 2019/07/18
頓挫する可能性もあるかと思われた時期もあったガリレオだが、ようやく形になり始めた。今後の注目したい点は、欧州自体も躍起になっているGNSSのプロダクトやサービス市場にどれだけガリレオが食い込んでいけるかの点とBrexitによる影響であろう。
ガリレオのFOC衛星(完全運用版:Full Operational Capability)はドイツのOHB社がプライム・コントラクタとなっており、そのOHB社はエアバス・グループの傘下でもあるイギリスのSSTL(サリー・サテライト・テクノロジー社: Surrey Satellite Technology Ltd)に衛星の重要な部分であるペイロードの製造を卸している。
OHB社は2018年10月2日、EUからガリレオの実現と運用責任を任されているESA(欧州宇宙機関)およびSSTLとBrexitの影響を最小限にとどめる努力をするという合意を結んだという。一方でイギリス政府はガリレオでなく100%イギリスのGNSSの構築について取組み始めたという話も伝えられている。今後の動向を追っていきたい。
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:D20190323-06
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。