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解説・特集COMMENTARY / FEATURE

特集1

フランス、欧州の宇宙分野の特徴・興味深い点(4)やめられないオートノミーへの努力、代表例1、ガリレオ

P190321 Galileo.jpg前回までは「フランス、欧州の宇宙分野の特徴・興味深い点」として、役者、つまり登場する機関・組織の数が1国で進めていく場合よりもずっと多いことを挙げました。このように役者の数が多く複雑な構造の中でもの欧州では複数の国が協力・団結し、1つの力を持とうとしています。そして1つの力となるにはそこに自律性がなければなりません。他に依存せず自分たちでまかなえるようになるための努力です。


そこで特徴・興味深い点の2つ目として、欧州の宇宙分野に見られる代表的な自立性への努力を挙げます。ここでは「自律性」をカタカナで書いて「オートノミー」にしてみました。その欧州のオートノミーへの努力の代表例がガリレオとロケットです。では、まずガリレオから進めます。


ガリレオ(Galileo)は欧州のGNSS(Global Navigation Satellite System)です。GNSSには、アメリカのGPS(Global Positioning System)、中国の北斗(Beidou)、ロシアのグロナス(GLONASS)があります。それと同様に欧州にはガリレオがあるということです。1999年からシステム構築の話が始まり、ようやく2016年12月、初期運用サービスの開始が宣言されました。ガリレオは合計30機の衛星を用いて無料サービス(Open Service)、商業サービス(Commercial Service)、政府規制サービス(Public Regulated Service)そして捜索・救難サービス(Search and Rescue Service)を提供します。


GNSSでは、みなが普通に「カーナビにはGPSが使われている」、「スマホのGPS機能で彼女が今どこにいるかわかるぜ」など話すよう、アメリカのGPSが大変有名です。というより、それしか知らないので多くの人がGPSという言葉自体がGNSSを指すと思っていることでしょう。しかし、そこが欧州にとっての大きな問題でした。欧州でもGPSを利用したプロダクトやサービスは生活のあちこちに浸透し、その市場は大きなものです。また市民の生活だけでなく、政府や軍でも利用しています。

(5)に続く

文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)

No:D20190323-04