特集1
wrote: 2019/08/21
update: 2019/08/21
ギアナ危機の話の続きです。
3月中旬から勃発したギアナ危機、本土の仏政府側と仏領ギアナ側で複数回交渉が続けられたがなかなか決着がつかない状態でいた。
そして最終的に4月21日、フランス大統領選挙の第1回投票が始まる直前、本土政府側と仏領ギアナ側で直ちに緊急予算11億ユーロを投入することと、その後も総額21億ユーロまで予算を割り当てるという合意がなされ、ギアナ危機は終結に向かった。
そしてアリアンスペース社も打上げのための業務を再開し、保留となっていた2回のアリアン5(VA236、VA237)と1回のソユーズ打上げ(VS17)の期日が決定した。同社は4月26日、2017年に予定していた12回の打上げ目標は変更しないでやっていくと発表している。
さて、このニュースで仏領ギアナの現状とそれを打開しようとする関係各所の動きに粛々とした思いを感じた。しかし一方で「そうか、フランスでは行動を起こして要望を訴えるんだったな」と再認識した。いつか「フランスの3大国民的スポーツはサッカーと自転車(ツール・ドゥ・フランスで有名)、そしてスト&デモ」と誰かが言っていたのを思い出した。
そういえば公立の小学校や中学校でも先生たちはストをして、組合に入っている先生の授業は休講になったりすることがよくある。ゴミ収集の企業がストをしたため街中のゴミ収集場に何日分ものゴミが溜まってしまい、うわっ、すごいな、という情景も見た。
と、「いろんな国にいろんな人たちが住んでいて、考え方ややり方もいろいろあるな」と、日々学びながら過ごしている次第である。
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:D20190821-2
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。