フランス語では?
posted: 2019/03/15
update: 2019/03/16
「フランス語では?」のカテゴリの第2弾。それはデジタル(digital 英)とヌメリック(numérique 仏)。航空宇宙、科学技術産業分野では、とにかくこの語句がしょっちゅう出てくる。「デジタル信号」、「デジタル化されたデータ」などなど。けれど時々フランス人はデジタルという語句を忘れ、自分らが使っている「ヌメリック」を使ってしまう。
「ヌメリック」は英語のnumericにもあるようナンバー(数、数値 number、フランス語だとnuméro ヌメロと発音) からきた言葉で、デジタル技術が始まってから、フランスではデジタル技術を表す言葉に用いられるようになった。ではこの言い方はヨーロッパ側、或いはラテン系の言語側だからか、と思って調べてみるとスペイン語でもイタリア語でもドイツ語でも「デジタル」の方が使われているようだ。
というわけで、もし皆さんがフランス人グループと英語でミーティングをする機会があった時、向こうが「ヌメリック」と聞こえるような言葉を使い始め、こちらは「何のことだ?」と一瞬首を傾げることもあるかもしれない。そんな時は「ああ、デジタルのことだ」と思い出せば話は簡単である。一方、こちらは向こうに合わせて「ヌメリック」など使う必要はない。しれっと「デジタル」という言葉を使えば、向こうも「あ、ついフランス語使っちゃった。そうだ、英語ではデジタルだった」と気づく。ただ、それに気づいて一旦「デジタル」に戻しても、また議論が白熱してくると再び「ヌメリック」を使い始める、なんてことも・・・・。
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:Y190314-03
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。