フランス観光、マイナーもあり
posted: 2020/08/10
update: 2020/08/10
先日、ブルターニュの「愛の海岸岬航空ミュージアム」に行ってきた。地理的にはブルターニュ半島の南の付け根あたりで、造船業で有名なサン=ナゼールの町やお塩で有名なゲランドの近くである。
「愛の海岸岬航空ミュージアム」、日本語に言い換えるとこうなるのでタイトルに書いてみたが、本当は「コートダムール海岸の岬(あるいは小さな半島)の航空博物館である。正式には「Musée Aéronautique de la Presqu'Ile Côte d'Amour」といい、頭文字をとって「 MAPICA」、マピカと呼ばれている。なんとも可愛らしい名前。
また、「ミュージアム」と言っても飛行場の一画にあるハンガー1つで、その中に修復中、製作中、展示用の小型飛行機が全部で10機ほどと、写真や手作りの解説パネルなどが展示されているだけである。制服を来た案内のお姉さんもいなければチケットもない。入場無料である。とにかくのどかである。
そのハンガーで行われているのがマピカの目玉である飛行機の修復や製造である。マピカは1980年代に航空遺産の保護と航空文化の振興のために設立された。運営は有志の募金に加え近隣3市の予算補助を受けて行われている。2つの大戦の頃の飛行機をこれまでに何機も修復あるいは製作し直したりして、デモンストレーション飛行イベントも行ってきた。
作業をしているのはほとんどが退職後のマピカ・ボランティアのおじさんたち。コロナの影響もあるので前日に入場制限があるかと電話で問い合わせたのだが、おじさんは「大丈夫だよ。いつでも来て」とほのぼのした口調で答えてくれた。当日も「あ、入っていいよ、好きに見て回って。ただ飛行機にぶつからないようにね」とさ。
いつか皆さんもブルターニュに来られる機会があったら、そして本当にのどかな場所でのびのびされたいならば、是非足を運ばれたらいかがでしょう。他に近隣では上記のようにサン=ナゼールの海関係の観光施設、ゲランドの塩田・塩製造博物館が面白いかな。またラ=ボール(La Baule)の町はちょっとブルジョワチックな夏の海のバカンスエリアになっている。マピカがある飛行場はラ=ボール・エスクブラック飛行場(Aérodrome de La Baule-Escoublac)で、ヘリコプタの遊覧飛行なども行っている。
ソース:MAPICA、Ouest-France(15/03/2015)
写真:浜田ポレ 志津子
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:Y20200810-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。