宇宙
posted: 2020/12/09
update: 2020/12/09
フランスのラグビーのクラブチーム「スタッド・トゥールーザン」が2020年12月11日から始まる2020-2021年度の欧州チャンピオンズカップのためのサード・ユニフォームを作り披露しました。それが宇宙とコラボしていたという話です。
日本ではワールドカップのワンチームの活躍がブームでしたね。フランスではやはりサッカーが国民的に熱いスポーツですが、ラグビーも伝統的になかなかファンも多い競技だそうです。
上記のスタッド・トゥールーザンとは航空宇宙産業がすごく盛んなフランス南部のトゥールーズの町のチームです。フランスのリーグでは20回優勝し、ヨーロッパでは4回チャンピオンになったことがあるとのこと。
そして今回、今季の欧州チャンピオンズカップが始まるにあたり、スタッド・トゥールーザン・チームは3つ目のユニフォームに宇宙のエッセンスを入れました。3つ目のユニフォームって何だろうと思いましたが、どうやら通常のホーム用、アウェイ用のほか、どちらも対戦相手とかぶってしまう時に着るユニフォームのようです。また、そのデザインを使ったプレミア商品も売られることがあるそうです。
さて今回のスタッド・トゥールーザン・チームのユニフォーム、デザインの考案はフランス人の欧州宇宙機関(ESA)のトマ・ペスケ宇宙飛行士がチームと話し、ESAを説得し、宇宙のエッセンスが反映されるに至りました。
トマがスタッド・トゥールーザン・チームの応援アンバサダーを務めていることから今回のコラボが可能になったとのことです。2年間かけてESA、トマ、スタッド・トゥールーザンが話し合いながら実現しました。
トマ・ペスケ宇宙飛行士は2016年から2017年にかけて「プロキシマ」ミッションで国際宇宙ステーションに滞在しています。帰還後、その爽やかで理知的、かつ冒険心が溢れているようお茶目な風貌もあり、人気は沸騰です。本人が綴ったものも含め複数の本や漫画、フォトアルバムなどが出版され、また映像作品もたくさん作られています。
ユニフォームのお披露目の日、当のトマはヒューストンにいました。来年(2021年)春に宇宙ステーションへの出発が予定されている「アルファ(Alpha)」ミッションのためヒューストンで訓練中だからです。
「スタッド・トゥールーザン・チームが僕の最初の宇宙ミッションに敬意を払ってくれて、僕はとっても光栄だよ。このユニフォーム作成は僕が大好きで大切にしている宇宙とラグビーの2つの世界を繋げてくれた」トマはヒューストンからこのようなメッセージを送っています。
新しいユニフォームのデビュー戦は12月20日の対エクセター(イングランド)戦だそうです。
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:Y20201208-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。